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森の巻130・夏の想い出(4)

  今回は少し珍しい高山の植物を紹介しましょう。一つ目は「アサギリソウ」です。

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  キク科の植物でヨモギの仲間ですが、高山や北方の岩場などに生える多年生です。葉は銀白色の毛に覆われ、二回羽状複葉ということで繊細な感じがします。この葉の様子を朝霧に見立てたのでしょう。このアサギリソウよりもっと珍しいのが同じ仲間のキタダケヨモギです。南アルプスの北岳にちなんだ名前のとおり南アルプスに稀に産するということです。私も南アにはよく登りましたが、見たことはありません。

 つぎは、「アカモノ」というツツジ科の植物です。

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  こちらも珍しいと思うのですが、よく知られているシラタマノキの仲間で、シラタマノキが別名としてシロモノと呼ばれているのに対し、この植物はアカモノと呼ばれます。写真の赤いのは果実で多肉質で食べることもできるそうです。ごく小さな実ですが桃になぞらえて赤桃と言っていたものがアカモノとなまったのではないかといわれています。

 花は5月から7月頃に咲きますが、花弁は白色、萼片は赤色で目立つ花です。

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森の巻129・夏の想い出(3)

  今回はおなじみの「チシマギキョウ」と「クルマユリ」を紹介します。キキョウは秋の七草の一つですが、チシマギキョウもその仲間(キキョウ科)ですが、ホタルブクロ属に属します。

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 高山の岩場に生えていることが多く、大変よく似たイワギキョウもあるので、よく見ないとわかりません。見分けのポイントは、葉が狭く細長いものであればまずチシマギキョウですが、イワギキョウと似た葉のものもあるので、花(花冠)の内側に毛があるのがチシマギキョウ、毛の無いのがイワギキョウです。現地ではイワギキョウと思ったのですが、帰ってから写真をよく見てみると花冠の内側に少しですが白い毛があるのがわかりました。ですからチシマギキョウです。分布域もほぼ同じなので、高山でキキョウらしきものを見つけたら、花の内側に毛があるかないかを見てみましょう。

 

  もう一つ、高山植物で目立った色をしているのが「クルマユリ」でしょう。高山植物でユリといえばクロユリを第一に挙げる人は多いと思いますし、私もクロユリをみれば「おお!クロユリだ。」と思うのですが、それは高山以外では見られない珍しさからです。

 クルマユリはオニユリやコオニユリとよく似ていて、高山に行かなくても何となく見慣れたユリの花と思いがちです。確かにそうなんですが・・・。綺麗な色の高山植物の中でも、この花の色はひときわ目立つように思います。周りの緑の中でくっきりと咲く姿は結構いいなと思うのですが、皆さんはいかがでしょう。

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  クルマユリの見分けのポイントは、茎の途中から出る葉が放射状に輪生しているところが車のように見えることです。このクルマユリに近縁のユリとして、鬱陵島(ウルルン島)原産のタケシマユリがあります。黄色の肉厚な花被片をもつのですが、ほとんど見ないですね。

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森の巻128・夏の想い出(2)

  登山道を歩いていて目につくのはやはり色とりどりの花でしょう。黄色、ピンク、白、紫などどうしてもひきつけられます。

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 こちらは「マツムシソウ」です。マツムシソウ科マツムシソウ属マツムシソウと科属種が同じ名前なんです。薄紫のきれいな花ですが、キク科の花のように頭部に多数の花をつけています。外側の花から先に開き始め、その小花が五裂し外側の裂片が大きくなるため、一つの花のように見えますね。

 下の写真は薄紫の「ヤナギラン」が下のほうから順次開いてきています。ヤナギランは雄性先熟の植物で、下部の花はまず雄しべが熟します。先端が4裂し丸く巻いているのが分かると思います。花は順次上に向かって開花しながら、個々の花は雄しべから熟していきます。その頃下の花は、雌しべが熟してきて花粉を受けることができるようになります。

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  このように個々の花が雄性から雌性へと移り変わり受粉しやすくする仕組みになっています。例えば上の花が雄性で下の花が雌性の状態のときは、花を訪れたハチは他の花の花粉を付けていて、まず下の雌しべに花粉をつけます。次第に上に移動し、上の雄しべの花粉を体に付けると、今度は他の花へ移って下の花の雌しべに花粉を付けるので、うまく他家受粉できるのです。

  自然の仕組みの不思議さに驚きますね。

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森の巻127・(やっと再開します)夏の想い出(1)

  パソコンの故障や夏の暑さにやられたり、いろいろと行事がいそがしく、長らく休んでいましたが、どうにか再開いたします。

 

 その間、旅行にも行きましたので、夏の想い出としてなんやかやをご紹介いたします。

 信州の栂池、八方方面に行き久しぶりに山岳登山気分を味わいました。40数年前の学生時代を思い出しながら、天気にも恵まれ快適な山歩きをしました。 

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  雪渓の上を再開の第一歩です!

 

 さて高山ともなれば、山々の景色がまず気になるところですが、多少雲がかかっていたこともありなかなか”ばっちり”のものを撮れません。

 そこで高山植物からいきましょう。おなじみの「ニッコウキズゲ」です。

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八方では、登山道沿いではあまり大きな群落は見られませんでしたが、それでも結構咲いていました。この黄色の花は目を引きます。昔から「ニッコウキスゲ」としてなじんできましたが、あらためて図鑑をひいてみると「ゼンテイカ」の別名とあります。ちょっと「え!」という感じで、「ゼンテイカ」という名前をすっかり忘れていました。

 たぶん誰も「ゼンテイカ」とは呼ばないように思うのですが・・・。漢字で「禅庭花」をあてるそうですが、名前の由来は不明とか。また、北海道のものを「エゾゼンテイカ」、本州のものを「ニッコウキスゲ」と区分していたそうでうすが、多くの野生種を調べると、はっきりとは分けられないようです。

  それはそうとして、この花は今年の夏の想い出でもあり、学生時時代の夏の想い出でもあるのです。(♪夏が来れば思い出す・・・♪)

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