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風の巻108・懐かしいような・・・珍しいような

  日本の懐かしい風景の一つに古民家の姿があります。萱葺屋根の民家はその象徴のような風景です。今回はちょっと珍しい姿の古民家を訪ねました。

 百聞は一見にしかずで・・・

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大きな屋根の破風のところが、魚が口をあけたように見えました。これが南側と西側の二つの面にあります。煙の出ているところが正面(南面)側で、奥は寄棟で作られています。

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この古民家は、江戸時代初期に建てられたとされるものですが、この家は渋川家という家が代々守ってきたものです。もともと渋川家はあの源頼政の後裔となる家系で、ここ福井県坂井市丸岡町の地にはおよそ700年ほど昔に住みついたそうです。

 もと武士ということもあり、格式の高い家として集落を束ねてきました。近年では村長の家として、集落の会合や祭り、行事の数々がここで行われていて、普段は寺子屋代わりの子供たちの学び舎でもあったそうです。この家の渋川家の人はこの古民家の周辺に居を構えて暮らしていたそうです。今も・・・。

 昭和41年に国の重要文化財に指定されましたが、この家を代々守るということは大変なことのようです。煙が出ているのは秋冬だけでなく、屋根の萱(今では葦も使用)に虫が出ないよう絶えず煙でいぶしておく必要があるのです。ですから一年中囲炉裏には火が絶えません。

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  最後にこの大きな萱ぶきの屋根を支える柱を紹介します。栗の木の股柱が三本使われています。股柱というのは柱の頂部が二股に分かれているもので、一方は側方桁をささえ、もう一方は上屋桁を支えている柱のことです。全国的にも珍しいもので、ぜひお見せしたいのですが・・・写真撮影はできないので、一度でかけられることをおすすめします。

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京の巻126・間近に・・・身近に・・・(3)

  ここ無鄰菴には、日本庭園にふさわしい建物もありますが、南西隅には洋館が建てられています。煉瓦造二階建ての洋館で外から見る限りそれほど目立たないのですが、その二階には重要な歴史が刻まれていました。

 

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部屋は江戸初期の狩野派による障壁画で飾られた立派なもので、天井も格天井に大変美しい文様の描かれたものです。

 明治36年(1903)4月21日に、この洋館の二階の部屋で、ある重要な会議が持たれました。元老山県有朋、政友会総裁伊藤博文、総理大臣桂太郎そして外務大臣小村寿太郎の4人が、日露戦争直前の日本の外交方針を決めるいわゆる「無鄰菴会議」を行ったのです。

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 この部屋は見学できるのですが、4人が座ったと思われる椅子も間近に見られます。写真とは違って部屋は薄暗く目を凝らさないと障壁画や格天井の様子は見えません。どうにか写した写真を少し明るく見やすくしてみました。デジタルならではの加工でよりはっきりとお見せすることができるのです。

 身近に、間近に・・・明治の歴史を肌で感じることができました。

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京の巻125・間近に・・・身近に・・・(2)

さて、無鄰菴の庭園には、琵琶湖疏水の水が引かれています。この東山山麓にある別荘などの邸宅の庭にはほかにも琵琶湖疏水の水を引き入れているところがたくさんあるようです。

 銀閣寺近くの疏水縁にある哲学の道は有名ですが、あの疏水は蹴上で水流を分けられた疏水の支線なのです。この水をうまく利用し、東山の借景とともにこの界隈の庭園美をうまく引き出しているようです。

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 ここ無鄰菴の庭園の奥には三段組みの滝をしつらえてあり、池の方へと幅広の水の流れでひいてきています。疏水の水ですから水量はたっぷり。

 紅葉と水は庭園にとってなくてはならない感じです。そこへ一羽の白鷺が水面に舞い降りました。静かに佇みながら、餌の魚を狙っていました。まさに絵になるような組み合わせです。

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京の巻124・間近に・・・身近に・・・(1)

  京都では、紅葉は盛りを過ぎてしまいましたが、11月中頃に訪れたところをご紹介します。

南禅寺や疎水のインクラインにほど近い場所に庭園のきれいな別荘があります。元別荘といったほうがいいかもしれません。

「無鄰菴(むりんあん)」明治の元老山県有朋が京都に建てた別荘だったものです。この時期紅葉が大変きれいで、その庭園美はみごとなものです。

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「無鄰菴」とはもともと、山県が出身地の長州に建てた草庵が隣の家がない閑静なところにあったことから名づけられたものです。京都にでていた山県は、木屋町につくった別荘にも無鄰菴と名付けていたようです。そうして、ここ南禅寺町に建てた別荘も無鄰菴です。

 山県はよほど「無鄰菴」という号が気に入っていたようですね。ここの近くにはいろいろと建物がありますので、無鄰菴は名前だけということになりますが・・・。

 では、その紅葉に彩られた様子をお見せしましょう。

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 紅葉と水とがよく調和しているように感じられました。皆さんはいかがでしょう。

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