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森の巻113・秋にももう一度・・・

  木々の花の咲き方もいろいろですが、枝から垂れ下がったものもありますね。名前からすれば吊り下げられたということになりますが・・・。

 ニシキギの仲間のマユミやツリバナなどが馴染みのものです。そのうちツリバナの仲間のヒロハツリバナの花が吊り下がっていました。(5月下旬)

 花は4数性なので、ツリバナ、オオツリバナの5数性と違いがわかります。(オオツリバナの一部には4数性のものもあるそうです。)

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 花がわかりにくいので、ちょっとアップします。

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 まだ緑黄色なので目立ちませんが、秋になれば赤く実のるはずです。もう一度その姿を見てみたいものです。

 なお、ツリバナもマユミも同じニシキギ科ニシキギ属でその用途は、枝がしなうので弓(真弓)にされたのをはじめ、材が緻密で狂いが少ないため版木、小箱、櫛、木釘、玩具、寄木細工、こけしなどに使われています。

 陸奥の産品としてマユミの樹皮の繊維からつくられた「檀紙(だんし)」(または陸奥紙(みちのくかみ))という和紙があったと言われているそうですが、確かなことはわからないようです。どなたかご存知ですか?

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森の巻112・なるほどどちらも納得です

  陽のあたる林道脇に少し珍しい樹を見つけました。いつものようにまず葉っぱを見てみたのですが、すぐにはわかりませんでした。でもその樹皮を見て、すぐに「あっ!ヤマナラシだ」と思いました。

 それほどその樹皮には特徴があります。

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では、まず葉っぱのアップです。

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 まだ若い葉っぱなので、若干イメージが成葉と違います。

では、その樹皮を見てみると・・・・・。

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 白っぽい樹皮に四角いというか菱形の割れ目が見えますが、これが皮目でその形が特徴です。

 ところで、ヤマナラシというのは、その葉が風に揺れてサラサラとよく鳴ることから付けられました。これは納得の命名です。しかし、その音を雨と聞きなして「ヨメフリ」と呼ぶのが東海地方です。「嫁降り」でお嫁さんが天から降ってくる訳ではありません。ヨメは夜雨(ヨメ)をさし、夜の雨音を表しているそうです。

 一方よく使う別名は「ハコヤナギ」なのですが、漢字では「箱楊」となるでしょうか。昔、京都ではこの材で扇を入れる箱を作っていたそうです。これもなるほどの命名です。なお、越後では、仏像を作っていたので、「ホトケギ」と言うそうです。

 今、上で「箱楊」と書きましたが、ヤナギ類を表す漢字として「楊」と「柳」がありますね。ヤナギ科の仲間は、大きく分けてヤナギ亜科とヤマナラシ亜科に別れますが、お馴染みのシダレヤナギやケショウヤナギなどはヤナギ亜科で中国では「柳」、ヤマナラシ亜科は「楊」として区別されています。箱柳ではなく箱楊となる所以です。

 (※玄宗皇帝の妃である楊貴妃はヤマナラシ亜科だったんですね??)

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森の巻111・どれも一つです!

  森の巻も111回目になりました。1が3つも並びましたね。そこで、今回はどれも「1」つづつという植物を紹介しましょう。

 植物も動物もそうですが、分類上おなじみなのが、「科」「属」「種」という単位です。いくつかの種が集まり属をつくり、属が幾つか集まって科を形成しています。植物ではキク科などは多くの属や種を含んでいますね。

  さて、そこで、1科1属1種という111の植物がなにかというと「ヤマグルマ」という樹木です。ヤマグルマ科ヤマグルマ属ヤマグルマということになります。

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 本州の山形県以南から四国、九州、沖縄そして朝鮮半島南部、台湾まで分布していますが、あまりお目にかかりません。成長は遅いようですが、高さ20mほどの高木になります。また、冬目は大きく目立ちますが、枝先に着く葉が輪性状につく様子も目立ちます。葉のつき方からヤマグルマと呼ばれているのはお分かりでしょう。

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 ちなみに、1科1属2種という樹木は「カツラ」「ヒロハカツラ」です。さらに1科1属3種なのは、「フサザクラ」ですが、あとの2種は、中国大陸と、ヒマラヤ地方に各1種分布しています。

(111=ヤマグルマ、112=カツラ、113=フサザクラ)

 

 ところで、ヤマグルマが本当に珍しいのは、被子植物でありながら、導管を持たず、仮道管だけであるということです。裸子植物には導管がない(グネムツを除く)のが普通ですから、ヤマグルマは裸子植物の特徴を保ち続けている原始的被子植物という点にあるようです。

 

 おまけになりますが、樹皮からトリモチが採れるので、別名で「トリモチノキ」とも呼ばれています。

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森の巻110・ちょっとお借りします

  植物は自ら動くことはできないものの、地面に根を張り茎や幹を伸ばして葉を広げて生活しています。ですから普通は地面にある養分や水分を糧にしているのは、ご存知のとおりです。

 ただ、中には他の植物に寄りかかって生活しているものもあります。寄生植物がそれで、目立つものでは「ヤドリギ」があります。

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 どうでしょう、こんな変な様子の樹木を見かけたことはありませんか?ブナ、ミズナラ、エノキなどの高木の樹上に寄生するので、あまり間近にはヤドリギの様子を見ることはありません。(写真はミズナラです。)

 寄生植物なので水分、栄養は宿主から得ますが、その葉には葉緑素を持ち自らも光合成をします。そしてその実は鳥に食べられ、糞とともに排泄され分布を広げます。実は丸いので普通ならなかなか樹上に付くのは難しいと思うのですが、果肉はよく粘り一度木に着くと離れにくいので、あのように高いところに寄生できるのです。

 

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  上の写真はヤドリギの実です。ヤドリギのついたミズナラの近くに落ちていましたので、多分鳥に食べられずに落ちてしまったと思われます。黄色く熟していますが、橙赤色であればアカミノヤドリギという種になります。

 世界には約1300種ものヤドリギがありますが、あまり役に立つものは少ないようです。それでも、ブラジルには一種のゴムや樹皮からタンニンをとることがあるようです。

 ヤドリギを見つけたら、樹下の周辺をよく見てください。黄色か橙赤色の実が見つかるかもしれませんね。

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