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森の巻108・こちらも昔懐かし・・・ですね

  昔なつかし・・・といっても銀座の柳ではありません。おなじみ「カラスノエンドウ」です。

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マメ科ソラマメ属の草で、偶数羽状複葉の小葉の先端が少し凹んでいるところが矢の弦にかけるところ(=矢筈:やはず)に似ているところから、「ヤハズエンドウ」とも称されます。植物学的にはむしろ「ヤハズエンドウ」が主名で、「カラスノエンドウ」は別名とも言われます。

 ただ、「カラスノエンドウ」の名は教科書にも載せられていたこともあり、個人的には「カラスノエンドウ」派です・・・。(山渓ハンディ図鑑1野に咲く花でも「カラスノエンドウ」が標準和名です。)

 同じマメ科に「ヤハズソウ」というのがあるので少しややこしいですね。こちらはヤハズソウ属で小葉の先をひくと矢筈のようになってちぎれるからということのようです。

 ところで「カラスノエンドウ」に対して小型なのが「スズメノエンドウ」、その中間のものが「カスマグサ」ですが、カラスとスズメの間(マ:あいだ)なので「カスマグサ」・・・あれ?どうしてカスマエンドウと言わないのでしょう?

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森の巻107・なんだかなつかしい・・・

  桜を見上げてばかりではいけません。背割堤の土手を下ってみるとそこらの草むらに、なにやらなつかしい小さな花をつけた野草を見つけました。

 

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「ナズナ」ですが、いわゆるぺんぺん草ですね。ぺんぺん草とは、その実の形が三味線の撥(ばち)の形に似ているところからつけられた俗称ということは広く知られています。同じ意味でシャミセングサともよばれています。

 では、「ナズナ」という名はどこからきているのでしょうか?漢字で書くと「薺」というとても難しい字ですが、この「薺」という植物の朝鮮古語による発音は「ナジ」というそうで、古代の日本では「ナジの菜」と呼んでいたものが「ナズナ」となったようです。

 春の七草として「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」があり、いずれも菜として食されていますので、古くから菜として食されていたのは確かです。七草粥は室町頃からの食の風習だそうですが、羹(あつもの:野菜や肉をいれた汁物)としては平安のころより食べていました。アブラナ科と聞けば納得でしょう。

 実の形が軍配のようにやや楕円の「グンバイナズナ」という種もあるのですが、まだ目にしたことがありません。一度みてみたいものです。・・・・・(続く)

 

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森の巻106・散りゆく様もいいものです

  「サクラサク!」合格電報もいまや懐かしい感じです。この場合「サクラチル」では困りますが・・・。樹木の桜は散りゆく様もいいものです。

 

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 さて、上の写真は、背割堤の桜で、4月16日の様子です。京都府南部を流れる三川合流の少し上流にある宇治川と木津川の間にある(土盛)堤防 の両側にソメイヨシノが植えられています。

花は盛りを過ぎていますが、まだたくさんの花をつけている枝もありますので、よいお花見もできます。

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 一方、花の間から緑の葉が開き始め、花びらが緩やかな風に乗って舞い落ちてきます。花吹雪の中をゆっくりと歩を進めるのも気持ちいいものです。

 現在ここには、左岸側(木津川の方)に125本、右岸側(宇治川の方)に124本、合わせて249本のソメイヨシノが戦後植えられ六十数年の齢を数えています。見た感じでは年齢以上の風格を持ったサクラに見え、なかなか堂々とした桜並木となっていて、並木の中を歩くもよし、堤防下に降りて桜を見上げながら、河川敷の歩道を散策するのも楽しいものです。

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背割堤は三川が合流する手前(下流側)まで続いています。

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(続く)

 

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森の巻105・こちらも春の訪れです

  ようやく桜の開花が見られ、早い地域では満開のところも・・・。いよいよ植物的には春本番が近いですね。春は桜、新入学、新学年・・・学校と桜では春先のわくわくした気持ちになった思い出がたくさんあると思います。

 桜にいくらか先立ち、大きな白い花を咲かせるのが「ハクモクレン」です。庭に植わった大きな木の枝に純白の花が目立ちます。

 

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 庭によく植えられているハクモクレンに対し、山野の春先に見られるのがコブシの白い花です。よく似ているのは、同じモクレン科の仲間だからです。

  コブシとタムシバもよく似た花でその違いを見分けるのに、花の根本の1枚の小葉が有るのがコブシで、無いのがタムシバと覚えます。ハクモクレンの花の根本にも小葉が1枚つきますので、そこはコブシと似ています。

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 ところで、ハクモクレンは中国原産種で、コブシは日本原産種です。コブシに「辛夷」という漢字をあてることが多いのですが、これは誤用とされています。しかし、ハクモクレン、モクレン(シモクレン:紫木蓮ともいう)が中国では木蘭、辛夷、玉蘭、木筆、迎春などの漢字があてられるということですが、どれがどの種をさしているか決めにくいようです。

 日本原産のコブシは本来その名の由来からして「拳」をあてるのが正しいように思いますが、「辛夷」の当て字もだんだんとそれらしくなってきているように思われます。

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 ハクモクレンの花の中をのぞいてみると雌しべと雄しべのかたまりがこんな風にあります。松ぼっくりの赤ちゃんみたいにも見えますが、同じモクレン科モクレン属のホウノキ、オオヤマレンゲなどと同じような造りです。

 

 

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森の巻104・スギの紅葉(続き)

  もっと近くの道路端にもありました。皆さんもこんな感じのスギを見かけたことがあると思いますが、いかがでしょう。

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 こうやって見てみると結構あちこちにスギの紅葉が見られるので、特異な現象という訳でもないようです。しかしながら、この時期のスギ全般に現れる紅葉という訳でもなく、緑のままの葉をつけたスギも多くみられます。 

 普通秋の紅葉は「アントシアニン」という赤色色素によります。スギの紅葉もアントシアニンだと説明されていたこともあるのですが、今では「ロドキサンチン(カロチノイドの一種)」の新たな合成によるものとされています。

 赤い色(茶色といってもいいのですが・・・)の原因はわかるのですが、なぜ赤くなるのかは実はよくわからないようです。紅葉することで生理的な優位性のようなものがあるのかどうか科学的に確認されていないようです。ただ、「ロドキサンチン」は光阻害の進行を防止する働きがあります。では、紅葉しない(常)緑のスギの葉は光阻害を多く受けていることになるにもかかわらず、そのために成長が阻害されているとまでは確認されていません。

 

 いままで何となく見ていた寒い時期の赤いスギの葉にはこんな話があったのですね。いずれ詳しく解明されることがあると思いますが、少し不思議だなという感じでこれからも見ていきたいと思います。

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