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京の巻105・海ですか、山ですか?

 少し秋めいて、ずいぶんとしのぎやすい気候になりました。京都の南山城と言われる地域には、大きな河川として宇治川と木津川が流れています。木津とは木材の港(津)という意味ですが、奈良の平城京をはじめ都や周辺の寺院などに建築用の木材を運ぶのに、川を流したり遡って集積した荷揚げ場になります。

 その木津川はかつて「泉川」と呼ばれていたのですが、百人一首に『みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ』と歌われた「いづみ川」のことです。みかの原を漢字で書くと「瓶原」と書きますが、随分難しいですね。その瓶原の地を見下ろす山の中腹に海住山寺(かいじゅうせんじ)があります。

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創建は天平七年(735)といいますから奈良時代です。大仏様の建立を発願された聖武天皇がその工事の無事を祈るためこの地に建てたのが「藤尾山観音寺」で、十一面観音菩薩が奉られました。しかし、観音寺は保延三年(1137)に灰燼に帰してそのすべてをなくしてしまったそうです。

 その後七十年ほど後(1208)に、笠置寺にいた解脱上人がこの観音寺の跡地に移り住まれて、海住山寺と名付けられました。山号は補陀落山で南海の海上にある観音様の浄土のことを言うそうです。山の中腹にあるのですが、そこは、瓶原平野とその先に連なる山脈があたかも海に浮かぶ補陀落山のように見えるということですので、海住山寺の意味も分かってきます。

 ここには国宝の五重塔がありますが、これは後鳥羽上皇の側近であった藤原長房が当寺で出家して覚真と名乗り、師の一周忌の供養に建保二年(1214)建立したものです。

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一見六重のようにも見えますが、一番下のものは初層の下につけられた裳階(もこし)で、この形式はここ海住山寺と奈良の法隆寺にしかない珍しいものだそうです。

 

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森の巻99・よく見る木なんですが・・・

 春先の小さな新葉が薄紅色できれいな葉っぱなのが、アカメガシワです。葉の新芽も赤く見えるので、赤芽(アカメ)という名がついています。カシワは、ご存じ柏餅のカシワと同じで、昔食べ物を葉っぱに盛り付けたことから、そのような器のことカシワと呼ぶようになったといわれています。

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 この葉っぱも割合大きいので食べ物を盛ったりしたのでしょうか?かしぐ(炊ぐ)から”かしきは(炊き葉)”(米などの穀物を炊いたものを盛る葉)が、「かしは」「かしわ」となっていったようです。

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上の写真は、アカメガシワの雌株の雌花です。たくさんの実のもとをつけています。さらにアップで見ると、下の写真のようになります。薄赤く見えているのは柱頭で3~4個付き、最初はこの写真のように紅色ですが、やがて熟して黄色になるのです。

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 ところで、柏餅は本当は「かしわ団子」だというのをご存じですか?もし「餅」ならもち米を使うのですが、そうではなく、その原料はいわゆるだんごと同じ上新粉なので、うるち米(普通のお米の粉)です。だから「かしわ団子」がほんとう!なんですが・・・端午の節句で食する「かしわ団子」は、この節句を重んじた武士の見栄から「かしわ餅」というようになった・・・とか。

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