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森の巻71・所変われば名も変わる

 「所変われば品変わる」・・・いえいえ、「所変われば名も変わる」なんです。植物にはよくあることなんですが、写真の「エイザンゴケ」は、実は「クラマゴケ」のことなんです。品は同じです。Dsc00043

比叡山のことを「えいざん」と地元の人はそう呼びます。そこで、エイザンスミレ、エイザンカタバミ、エイザンユリ、エイザンハグマなどと比叡山に親しく見られる植物をそんな風に呼びます。

 でも、エイザンカタバミは(ミヤマカタバミ)、エイザンユリは(ヤマユリ・ウバユリ)、エイザンハグマは(オクモミジバハグマ)だそうで、(青字)の中の呼び名が標準和名なんです。ですから、エイザンゴケも(クラマゴケ)が標準和名のほうです。

 ところで、クラマゴケは苔ではなく、シダ類なのです。ヒカゲノカズラ類でイワヒバに近い仲間です。鞍馬山では見かけなかったのですが、比叡山でお目にかかりました。

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森の巻70・縦笛ではありません

 笛には穴があいていて、その穴を押さえるといろいろな音階で音色が聞こえます。そんな笛をイメージしたのですが、これは生きた樹木の穴でした。

どうでしょうか。縦笛にみえませんか?

 おそらくモモンガのねぐらではないかということでした。いくつも穴が開いており、侵入する敵をだますのかたくさんの個体がいるのかよくわかりませんが、比叡山のように大木の残っている森にはモモンガやあるいはムササビなどもそれなりに見られるようです。Dsc00034

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風の巻44・こっちとあっち

 比叡山の三つの境内地は、東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)ですが、西塔の主なお堂のひとつ(正確には二つ)が「にない堂」といわれるものです。同じ形をした法華堂、常行堂という二堂があり、渡り廊下でつながっています。左右同じであり、天秤棒でかつぐようにもみられることから「にない堂」とDsc00036 呼ばれるようになったそうです。

 でも、こんな大きなものを天秤棒のようにしてになうのは誰でしょう?・・・そうですね、怪力、豪傑の代表である武蔵坊弁慶です。「弁慶のにない堂」なんです。

 ところで、写真の参道の中ほどに境界が通っていて、こっち(左の常行堂)は京都であっち(右の法華堂)は滋賀というわけです。

※比叡山をしばらくご案内してきましたが、ひとまずここらで一休止。

この後は、「森の巻」で比叡の自然を少しご案内しましょう。

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風の巻43・ちょっと違いますが・・・

 比叡山延暦寺を興した最澄は、弘仁13年(822)6月4日に56歳で入寂します。その最澄を祀った廟所は浄土院と呼ばれます。仁寿4年(854)に弟子の円仁が廟所を建立して以来、この御廟を守る僧侶は侍眞と呼ばれて日々霊前の給仕や勤行、勉学に明け暮れる修行を行います。なんと十二年間も御廟周辺だけで暮らし、決して山をおりない生活をしておられます。もちろん、テレビや新聞などとも縁がありません。「千日回峰行」を行う前にこの十二年籠山などの修行をつまなければなりません。大変厳しい修行です。

 その廟所の前に、植えられているのが菩提樹(ボダイジュ)と沙羅双樹の木です。菩提樹は、釈迦がその樹下で悟りを開いたとされる聖なる樹木ですが、これはクワ科のインドボダイジュです。ですから、日本にある菩提樹は名前こそ同じようなものですが、中国原産のシナノキ科シナノキ属の落葉高木なのです。Dsc00030

写真は薄い黄色の花をたくさん着けたボダイジュの木です。花の蜜を求めて蜂などがたくさん飛んできていました。

(続く)

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風の巻42・あの歴史上の人物も・・・

 鞍馬山では、牛若丸が必ず登場しますが、比叡山ではというと、これまた牛若丸になくてはならない人物が登場します。武蔵坊弁慶ですよね。この弁慶、歌舞伎の『勧進帳』や能の『安宅』などではよく知られていますが、実際の生涯についてはよくわからないそうです。幼名「鬼若」と呼ばれ、比叡山に入るが乱暴が過ぎて追い出されたようです。怪力、豪傑の代表として世間で認めるところ。

 その弁慶は、比叡山では西塔に属したそうですが、修行中、日夜水を汲んだところが「弁慶水」と称されているところだそうです。Dsc00022 ここの湧水は比叡山の中でも最も湧水量が多いところで、今でも比叡山で必要な水の相当な量をまかなっているといわれます。

ここで、ひとつ問題です。多くの水を湧き出すのこ場所の周辺、上部の森林はどんな森でしょうか?

・・・・・コナラ、モミジ、その他広葉樹が混在した林相の豊かな森ではなくて・・・ヒノキ、スギの人工林なのです。写真の大木もスギの木です。

 スギやヒノキの人工林は森林の持つ水源涵養機能などが広葉樹林には劣るといわれることが、ままありますが、決してそんなことはありません。十分手入れもされずに、日があたらない林床で下草も生えない、主林木も十分根を張らずにひょろ長く伸びるだけなんて人工林であれば問題外ですが、手入れの行き届いた森林であれば人工林、針葉樹林といえども森林土壌がよく発達して、水源涵養機能も発揮できるのです。

(続く)

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